確性試験・品質調査

弊研究所では、金属材料の市場品質について、製品が仕様通りに仕上がっているかを調べる確性試験と、新規材料についての詳細な材料評価(鋼材品質評価)、事故品などの損傷に関わる材料調査(損傷解析)を行っています。

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確性試験とは

熱処理された機械部品が、指定図面、仕様通りの品質に仕上がっているかどうかを、材質、組織、硬さなどを中心に種々の分析測定観察装置を使用して確認するものです。

試験実施項目

硬さ測定

  • HV硬さ(マイクロビッカース硬さ含)、ロックウェル/HRC硬さ、ショア/HS硬さの測定が可能です。
  • 測定場所、試験力/負荷荷重、測定間隔等はご相談に応じます。
  • 応研独自開発の「超多点自動HV硬さ測定」も可能です。

化学成分分析

  • 火花試験(炭素量、鋼種の簡易判定が可能)
  • ICP発光分光分析(C、Si、Mn、Cr、Mo,P、S 等の主要元素含有量の分析。必要に応じて協力企業で実施)

EPMA分析、SEM観察、X線残留応力測定

  • 必要に応じて、応研内、または協力企業にて実施可能です。

確性試験例

調査例1

・調査品:シャフト(外径16mm)

・鋼種:S45C(素材:圧延材)

・熱処理仕様:高周波焼入れ・炉焼戻し

      (表面硬さ仕様:550~640HV)

硬さ測定

図1にシャフト断面のビッカース硬さHV分布を示します。

表面硬さは約640HVであり、硬さ仕様を満足しています。

図1 シャフト断面硬さ分布

金属組織観察

図2にシャフト平行断面の金属組織を示します。

表面(高周波焼入れ)部は、均一微細なマルテンサイト組織を示し、仕様を満足しています。

素地(非焼入れ)部は炉加熱で焼ならししたフェライト・パーライトを示しています。

図2 シャフト断面の金属組織

調査例2

・調査品:駆動軸

・鋼種:SCM440(素材:圧延材を調質)

・熱処理仕様:高周波焼入れ焼戻し

       (表面硬さ:58~63HRC 硬化層:0.5~1.3mm)

硬さ測定

高周波焼入れ焼戻しした駆動軸表面硬さ、素地部硬さを表1、2に示します。

表1 駆動軸表面硬さ

測定位置硬さ HRC
l =72 軸部61.5 62.0 61.5 61.5
l =43 軸部61.5 61.5 61.5 62.0

高周波焼入れ焼戻しした駆動軸の軸方向断面の断面硬さ分布を図1に示します。硬化層硬さ、厚さ共に仕様を満足しています。

表2 駆動軸素地部断面硬さ

硬さ HV(10)300 293 294 301 282
図1 駆動軸焼入れ部断面硬さ分布

金属組織観察

図2に駆動軸の軸方向断面の金属組織を示すします。表面部は均一微細なマルテンサイト組織を呈しています。素地部は調質したソルバイト組織を呈しています。

図2 駆動軸の軸方向断面金属組織

確性試験受注実績

  • 島津産機システムズ(株)
  • (株)大進精機
  • 村田機械(株)
  • イートン(株)
  • (株)坂村機械製作所
  • その他数10社

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